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【高校物理】微分係数と導関数【高校数学】【微分】

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微分は物理において、速度や加速度の定義に用いられています。
今回は、微分についての基礎的な部分の解説となりますが、図形的な意味などを理解するようにしていただきたいです。

微分・積分に関する記事は、こちらも参考にしてください

積分法

様々な関数

極限

微分法とその応用

積分法の応用

よく使う積分の考え方と微積公式まとめ

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目次

1.微分係数

1-1.平均変化率

関数\(y=f(x)\)において、\(x\)が\(a\)から\(b\)まで変化するとき、


\(\displaystyle{\frac{\bf{yの変化量}}{\bf{xの変化量}}  =\frac{f(b)-f(a)}{b-a}}\)


上記を\(x=a\)から\(x=b\)までの\(f(x)\)の平均変化率といいます。

平均変化率は下図のように2点\(A(a , f(a))\)と\(B(b , f(b))\)を通る直線\(AB\)の傾きを表しています。
(直角三角形の底辺が\(\textcolor{red}{b-a}\)、高さが\(\textcolor{red}{f(b)-f(a)}\)となる)

平均変化率解説画像

例) \(f(x)=x^2+x\)の\(x=2\)から\(x=5\)までの平均変化率は、

\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\frac{f(5)-f(2)}{5-2}&=&\frac{(5^2+5)-(2^2+2)}{5-2}\\\\&=&\frac{30-6}{5-2}\\\\&=&\frac{24}{3}\\\\&=&8\end{eqnarray}}\)

となります。

平均変化率例画像

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1-2.極限値

例として、\(f(x)=x^2\)の\(x=2\)から\(x=2+h\)までの平均変化率を求めてみます。
上記平均変化率は、


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\frac{f(2+h)-f(2)}{(2+h)-2}&=&\frac{(2+h)^2-2^2}{h}\\\\&=&\frac{h^2+4h}{h}\\\\&=&\frac{h(h+4)}{h}\\\\&=&h+4\end{eqnarray}}\)


この平均変化率\(h+4\)の\(h\)を限りなく\(0\)に近づけると、\(h+4\)は限りなく\(4\)に近づきます。
(\(h\)は\(0\)に近づき、\(h+4\)の\(4\)だけが残る)
このとき、\(h+4\)の極限値は\(4\)であるといい、記号\(\lim\)を用いて

\(\displaystyle{\lim_{h\to0}(h+4)=4}\)

と表記します。



そのほかの例としては、

\(\displaystyle{\lim_{h\to0}(2+3h+h^2)=2}\)

などがあります。
(※\(h\)を限りなく\(0\)に近づけると、\(3h\)は\(0\)に\((3×0)\)、\(h^2\)も\(0\)に\((0^2)\)それぞれ近づく)

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1-3.微分係数

関数\(f(x)\)の\(x=a\)から\(x=a+h\)までの平均変化率、


\(\displaystyle{\frac{f(a+h)-f(a)}{(a+h)-a}=\frac{f(a+h)-f(a)}{h}}\)


において、\(h\)が\(0\)に近づくとき、この平均変化率が限りなく一定の値に近づくなら、その極限値を関数\(f(x)\)の\(x=a\)における微分係数または変化率といい、\(f'(a)\)で表します。
式で表すと、


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}f'(a)&=&\lim_{h\to0}\frac{f(a+h)-f(a)}{(a+h)-a}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}\end{eqnarray}}\)


となります。

次に、微分係数の図形的意味についてみていきます。


\(y=f(x)\)上の点\(A(a , f(a))\)と点\(H(a+h , f(a+h))\)を考えます。

平均変化率は、

\(\displaystyle{\frac{f(a+h)-f(a)}{(a+h)-a}=\frac{f(a+h)-f(a)}{h}}\)

となります。
この平均変化率の\(h\)を\(0\)に近づけていった場合を考えると、

微分係数図形的意味1
微分係数図形的意味2
微分係数図形的意味3
微分係数図形的意味4

以上から、


☆関数\(y=f(x)\)のグラフ上の点\(A(a , f(x))\)における接線の傾きは、関数\(f(x)\)の\(x=a\)における微分係数\(f'(a)\)に等しい


ということがいえます。

例) \(y=x^2\)のグラフ上の点\((3 , 9)\)における接線の傾きは、


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\lim_{h\to0}\frac{f(3+h)-f(3)}{(3+h)-3}&=&\lim_{h\to0}\frac{(3+h)^2-3^2}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{6h+h^2}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{h(6+h)}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}(6+h)\\\\&=&6\end{eqnarray}}\)


となります。

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2.導関数とその計算

2-1.導関数

これまでは、\(x=a\)というある値について微分係数(変化率)を考えてきましたが、一般的に考えるために変数\(x\)と、これを\(h\)だけ増加させた\(x+h\)で考えてみます。
このとき、微分係数を考える際と同様に考えて、


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}f'(x)&=&\lim_{h\to0}\frac{f(x+h)-f(x)}{(x+h)-x}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}\end{eqnarray}}\)


となります。
この\(f'(x)\)を\(\textcolor{red}{\bf{“導関数”}}\)といいます。



※微分係数と導関数の違いについては、

微分係数→ある関数の特定の点における変化率の値で”定数”となる
導関数→ある関数のある点における変化率を表す”関数”

という違いがあります。

例として、(1-3.微分係数)で扱った関数と同様に\(f(x)=x^2\)で考えると、導関数は


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}f'(x)&=&\lim_{h\to0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{(x+h)^2-x^2}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{2xh+h^2}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{h(2x+h)}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}(2x+h)\\\\&=&2x\end{eqnarray}}\)


となります。


これは、\(f(x)=x^2\)上の任意の点における接線の傾きが\(2x\)であることを示しています。
試しに、(1-3.微分係数)と同様、点\((3 , 9)\)を考えて、\(x=3\)を\(f'(x)=2x\)に代入すると

\(f'(3)=2×3=6\)

となって、傾きは\(6\)という同様の結果が得られます。


\(y=f(x)\)の導関数の表記に関して、\(f'(x)\)の他にも、\(y’\)や\(\frac{dy}{dx}\)で表すこともあります。

\(\underline{\bf{練習問題}}\)

次の関数の導関数を求めよ。

\(\displaystyle{※\lim_{h\to0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}を用いる}\)


\(1) f(x)=5\)

\(2) f(x)=x\)

\(3) f(x)=x^3\)

\(\underline{\bf{練習問題解答}}\)


\(1)\)

\(\displaystyle{\begin{eqnarray}f'(x)&=&\lim_{h\to0}\frac{5-5}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{0}{h}\\\\&=&0\end{eqnarray}}\)



\(2)\)

\(\displaystyle{\begin{eqnarray}f'(x)&=&\lim_{h\to0}\frac{(x+h)-x}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{h}{h}\\\\&=&1\end{eqnarray}}\)



\(3)\)

\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\lim_{h\to0}\frac{(x+h)^3-x^3}{h}&=&\lim_{h\to0}\frac{3x^2h+3xh^2+h^3}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{h(3x^2+3xh+h^2)}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}(3x^2+3xh+h^2)\\\\&=&3x^2\end{eqnarray}}\)

問題の答えと、先ほど扱った\(f(x)=x^2\)の導関数\(f'(x)=2x\)の結果をまとめると、

\((5)’=0\)

\((x)’=1\)

\((x^2)’=2x\)

\((x^3)’=3x^2\)

となります。


この結果をみてみると、関数\(x^n\)の導関数は\(nx^{n-1} (n=1,2,3)\)、定数関数の導関数は\(0\)となっていることが分かります。



一般に、

\(\textcolor{red}{\bf{関数}}\)\(\textcolor{red}{x^n}\)\(\textcolor{red}{\bf{の導関数は}}\)

\(\textcolor{red}{(x^n)’=nx^{n-1} (n=1,2,3) \cdots①}\)


\(\textcolor{red}{\bf{定数関数}}\)\(\textcolor{red}{C}\)\(\textcolor{red}{\bf{の導関数は}}\)

\(\textcolor{red}{(C)’=0}\)

となります。
(※定数関数とは、変数を含まない定数のみ(一定の値しかとらない)関数のこと)

\(①\)について示します。


自然数(\n\)について、
二項定理から、

\(\begin{eqnarray}&&(x+h)^n\\\\=&&x^n+{}_nC_1x^{n-1}×h+{}_nC_2x^{n-2}×h^2+\cdots+{}_nC_nh^n\end{eqnarray}\)

よって、

\(\begin{eqnarray}&&(x+h)^n-x^n\\\\=&&{}_nC_1x^{n-1}×h+{}_nC_2x^{n-2}×h^2+\cdots+{}_nC_nh^n\end{eqnarray}\)

これから、


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&\frac{d}{dx}x^n\\\\&=&(x^n)’\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{h({}_nC_1x^{n-1}+{}_nC_2x^{n-2}×h+\cdots+{}_nC_nh^{n-1})}{h}\\\\&=&{}_nC_1x^{n-1}\\\\&=&nx^{n-1}\end{eqnarray}}\)

となります。
\((x+h)^n-x^n\)を\(h\)でくくると、分母の\(h\)で約分されます。
また、\({}_nC_nx^{n-1}\)を除く項には\(h\)が含まれており、\(h\to0\)によって\(h\)を含む項は\(0\)へ近づいていきます。

従って、

\((x^n)’=nx^{n-1}\)

となります。
これは、\(n=1,2,3\)だけではなく、自然数で成り立ちます。

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2-2.定数倍・和・差の微分

\(\textcolor{red}{\bf{関数}}\)\(\textcolor{red}{f(x)}\)\(\textcolor{red}{\bf{から導関数}}\)\(\textcolor{red}{f'(x)}\)\(\textcolor{red}{\bf{を求めることを、}}\)\(\textcolor{red}{f(x)}\)\(\textcolor{red}{\bf{を}}\)\(\textcolor{red}{x}\)\(\textcolor{red}{\bf{で微分する}}\)といいます。

\(\underline{\bf{定数倍・和・差の導関数}}\)


一般に定数倍・和・差の導関数について、以下のことが成り立ちます。




\(\underline{\bf{定数倍について}}\)

\(k\)を定数とすると

\(y=kf(x)\)を微分すると \(y’=kf'(x) \cdots①\)




\(\underline{\bf{和について}}\)

\(y=f(x)+g(x)\)を微分すると \(y’=f'(x)+g'(x) \cdots②\)




\(\underline{\bf{差について}}\)

\(y=f(x)-g(x)\)を微分すると \(y’=f'(x)-g'(x) \cdots③\)

以下に計算例を載せておきます。


\(\underline{\bf{①の計算例}}\)

\(f(x)=x^3\)とし、\(y=3f(x)\)を微分すると、


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}y’&=&\lim_{h\to0}\frac{3f(x+h)-3f(x)}{(x+h)-x}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{3\{f(x+h)-f(x)\}}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{3}{h}\{(x+h)^3-x^3\}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{3}{h}(3x^2h+3xh^2+h^3)\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{3h}{h}(3x^2+3xh+h^2)\\\\&=&\lim_{h\to0}3(3x^2+3xh+h^2)\\\\&=&3・(3x^2)\end{eqnarray}}\)


以上から、

\(\begin{eqnarray}y’&=&3f'(x)\\\\&=&3・(x^3)’\\\\&=&3・3x^2\end{eqnarray}\)

となります。




\(\underline{\bf{②の計算例}}\)

\(f(x)=x^3\)、\(g(x)=x^2\)とします。

このとき、\(y=f(x)+g(x)\)すなわち\(y=x^3+x^2\)の導関数は


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}y’&=&\lim_{h\to0}\frac{{\{(x+h)^3+(x+h)^2\}-(x^3+x^2)}}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{\{(x+h)^3-x^3\}+\{(x+h)^2-x^2\}}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{{(3x^2h+3xh^2+h^3)+(2xh+h^2)}}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{h}{h}\{(3x^2+3xh+h^2)+(2x+h)\}\\\\&=&\lim_{h\to0}\{(3x^2+3xh+h^2)+(2x+h)\}\\\\&=&3x^2+2x\end{eqnarray}}\)


以上から、

\(\begin{eqnarray}y’&=&f'(x)+g'(x)\\\\&=&(x^3)’+(x^2)’\\\\&=&3x^2+2x\end{eqnarray}\)

となります。




\(\underline{\bf{③の計算例}}\)

\(f(x)=x^3\)、\(g(x)=x^2\)とします。

このとき、\(y=f(x)-g(x)\)すなわち\(y=x^3-x^2\)の導関数は


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}y’&=&\lim_{h\to0}\frac{{\{(x+h)^3-(x+h)^2\}-(x^3-x^2)}}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{\{(x+h)^3-x^3\}-\{(x+h)^2-x^2\}}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{{(3x^2h+3xh^2+h^3)-(2xh+h^2)}}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{h}{h}\{(3x^2+3xh+h^2)-(2x+h)\}\\\\&=&\lim_{h\to0}\{(3x^2+3xh+h^2)-(2x+h)\}\\\\&=&3x^2-2x\end{eqnarray}}\)


以上から、

\(\begin{eqnarray}y’&=&f'(x)-g'(x)\\\\&=&(x^3)’-(x^2)’\\\\&=&3x^2-2x\end{eqnarray}\)

となります。

計算過程は、上記計算例と同様になりますが、\(①~③\)を証明しておきます。



\(\underline{\bf{①について}}\)

\(k\)を定数として、\(y=kf(x)\)の導関数を考える。
微分の定義から、


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}y’&=&\lim_{h\to0}\frac{kf(x+h)-kf(x)}{h}\\\\&=&\frac{k\{f(x+h)-f(x)\}}{h}\end{eqnarray}}\)


ここで、\(\displaystyle{\lim_{h\to0}}\)ですが、定数\(k\)は\(h\)とは関係なく、\(\lim\)の前に出しても計算は成り立つので、


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}y’&=&\frac{k\{f(x+h)-f(x)\}}{h}\\\\&=&k\lim_{h\to0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}\end{eqnarray}}\)



また、


\(\displaystyle{\lim_{h\to0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}}\)


は微分の定義そのもので、


\(\displaystyle{\lim_{h\to0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}}=f'(x)\)


なので、

\(\displaystyle{\begin{eqnarray}y’&=&k\lim_{h\to0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}\\\\&=&kf'(x)\end{eqnarray}}\)


以上から、

\(\textcolor{red}{y=kf(x)}\)\(\textcolor{red}{\bf{を微分すると、}}\)\(\textcolor{red}{y’=kf'(x)}\)\(\textcolor{red}{\bf{となります。}}\)




\(\underline{\bf{②について}}\)

\(y=f(x)+g(x)\)の導関数を考える。

微分の定義から、


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}y’&=&\lim_{h\to0}\frac{\{f(x+h)+g(x+h)\}-\{f(x)+g(x)\}}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{\{f(x+h)-f(x)\}+\{g(x+h)-g(x)\}}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}{\{\frac{f(x+h)-f(x)}{h}+\frac{g(x+h)-g(x)}{h}\}}\end{eqnarray}}\)


ここで、


\(\displaystyle{\lim_{h\to0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}}\)


\(\displaystyle{\lim_{h\to0}\frac{g(x+h)-g(x)}{h}}\)


はどちらも微分の定義そのものなので、


\(\displaystyle{\lim_{h\to0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}=f'(x)}\)


\(\displaystyle{\lim_{h\to0}\frac{g(x+h)-g(x)}{h}=g'(x)}\)


となります。
よって、


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}y’&=&\lim_{h\to0}{\{\frac{f(x+h)-f(x)}{h}+\frac{g(x+h)-g(x)}{h}\}}\\\\&=&f'(x)+g'(x)\end{eqnarray}}\)


以上から、


\(\textcolor{red}{y=f(x)+g(x)}\)\(\textcolor{red}{\bf{を微分すると、}}\)\(\textcolor{red}{y’=f'(x)+g'(x)}\)\(\textcolor{red}{\bf{となります。}}\)




\(\underline{\bf{③について}}\)

\(②\)における符合を、マイナスに変えて同様の計算をしていくと導けます。


\(y=f(x)-g(x)\)の導関数を考えます。

微分の定義から、


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}y’&=&\lim_{h\to0}\frac{\{f(x+h)-g(x+h)\}-\{f(x)-g(x)\}}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}\frac{\{f(x+h)-f(x)\}-\{g(x+h)-g(x)\}}{h}\\\\&=&\lim_{h\to0}{\{\frac{f(x+h)-f(x)}{h}-\frac{g(x+h)-g(x)}{h}\}}\end{eqnarray}}\)


ここで、


\(\displaystyle{\lim_{h\to0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}}\)


\(\displaystyle{\lim_{h\to0}\frac{g(x+h)-g(x)}{h}}\)


はどちらも微分の定義そのものなので、


\(\displaystyle{\lim_{h\to0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}=f'(x)}\)


\(\displaystyle{\lim_{h\to0}\frac{g(x+h)-g(x)}{h}=g'(x)}\)


となります。
よって、


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}y’&=&\lim_{h\to0}{\{\frac{f(x+h)-f(x)}{h}-\frac{g(x+h)-g(x)}{h}\}}\\\\&=&f'(x)-g'(x)\end{eqnarray}}\)


以上から、


\(\textcolor{red}{y=f(x)-g(x)}\)\(\textcolor{red}{\bf{を微分すると、}}\)\(\textcolor{red}{y’=f'(x)-g'(x)}\)\(\textcolor{red}{\bf{となります。}}\)

これら、定数倍・和・差の導関数の性質を用いると、下記のような関数についても導関数を求めることができます。


例) \(y=3x^3+2x^2-6x+2\)の導関数


\(\begin{eqnarray}y’&=&3・(x^3)’+2・(x^2)’-6(x)’+(2)’\\\\&=&3・(3x^2)+2・(2x)-6・1+0\\\\&=&9x^2+4x-6\end{eqnarray}\)


上記のように計算することができます。

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2-3.\(x\)以外での微分

変数が\(x\)や\(y\)以外の関数についても、導関数を考えてみます。
例として、下記\(t\)の関数についてみてみます。



例) \(S(t)=t^3-2t^2+5\)


この関数を\(t\)で微分する際、下記のような表記を用います。


\(\displaystyle{\frac{d}{dt}S(t)}\)


この表記の意味は以下のようになります。

微分表記意味

また、導関数は


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\frac{d}{dt}S(t)&=&s'(t)\\\\&=&(t^3)’-2(t^2)’+(5)’\\\\&=&3t^2-4t\end{eqnarray}}\)


となります。


注意することとして、\(t\)の関数に\(x\)が含まれている場合でも、\(t\)で微分する際には\(x\)は定数とみなして微分します。
例えば下記のような関数

\(y=t^3+2xt^2+x+5\)

の場合、\(x\)は定数とみなして


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\frac{dy}{dt}&=&(t^3)’+2x(t^2)’+(x)’+(5)’\\\\&=&3t^2+2x(2t)+0+0\\\\&=&3t^2+4xt\end{eqnarray}}\)


という計算になります。

今回は以上となります。

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