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【高校物理】力とベクトル(補足解説と問題の解き方)【力】【ベクトル】【練習問題】
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力とベクトルの記事で解説した内容の練習問題となります。
実際に問題を解く際には、解説した内容をどのように用いるのかに注目して読み進めてください。
また、力とベクトルの記事で解説していなかった補足内容があれば、この記事に載せています。
「力とベクトル」に関する記事はこちらです。
→力とベクトル
ベクトルに関する記事はこちらです。
→ベクトルの演算と成分表示
三角関数に関する記事はこちらです。
→三角関数の定義と関係式
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目次
1.力の合成
1-1.問題1
\(\underline{\bf{問題1}}\)
次の力\(\overrightarrow{F_1}\)と\(\overrightarrow{F_2}\)の合成ベクトルを図示せよ。
\(\underline{\bf{解答1}}\)
ベクトルに関する知識を用いますので、こちらも参考にしてください。
→ベクトルの演算と成分表示
求めるベクトルは\(\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}\)なので、始点を決めて、この始点から\(\overrightarrow{F_1}\)進んでさらに\(\overrightarrow{F_2}\)だけ進んだ点を終点とするベクトルが求めるベクトルになります。
見やすくするためにベクトルをずらしていますが、\(\overrightarrow{F_1}\)の始点を求めるベクトルの始点として、\(\overrightarrow{F_1}\)の終点に\(\overrightarrow{F_2}\)の始点を平行移動します。
この\(\overrightarrow{F_1}\)の始点と\(\overrightarrow{F_2}\)の終点を結んだ下図の赤色のベクトルが求める\(\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}\)となります。
※座標で考えると
下図のようにx-y座標を設定し、1マス分を1Nとします。
(N(ニュートン)は力の単位)
\(\overrightarrow{F_1}\)と\(\overrightarrow{F_2}\)をそれぞれ成分表示すると
\(\displaystyle{\overrightarrow{F_1}=\left(\begin{array}{r}0\\+3\end{array}\right)}\)
\(\displaystyle{\overrightarrow{F_2}=\left(\begin{array}{r}0\\-2\end{array}\right)}\)
よって求めるベクトル\(\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}\)は成分同士を計算して
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}&=&\left(\begin{array}{r}0\\+3\end{array}\right)+\left(\begin{array}{r}0\\-2\end{array}\right)\\\\&=&\left(\begin{array}{r}0+0\\+3-2\end{array}\right)\\\\&=&\left(\begin{array}{r}0\\+1\end{array}\right)\end{eqnarray}}\)
これより、求めるベクトルは、設定した原点からx軸方向に0、y軸方向に+1だけ進んだ、先ほどの解答の赤色のベクトルとなります。
1-2.問題2
\(\underline{\bf{問題2}}\)
次の力\(\overrightarrow{F_1}\)と\(\overrightarrow{F_2}\)の合成ベクトルを図示せよ。
\(\underline{\bf{解答2}}\)
問題1のときと同様にして、始点を決めて、\(\overrightarrow{F_1}\)だけ進んだとことから\(\overrightarrow{F_2}\)だけ進んだ部分を終点とするベクトルを求めればよいです。
そのために\(\overrightarrow{F_1}\)と\(\overrightarrow{F_2}\)を平行移動してできる平行四辺形をつくります。
始点とした部分と、作成した平行四辺形の対角点を結んだベクトルが求めるベクトルである\(\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}\)となります。
よって、下図の赤色のベクトルが求めるベクトルとなります。
上図をみてみると、始点から右側に進むルートでは、\(\overrightarrow{F_1}\)だけ進んでから平行移動した\(\overrightarrow{F_2}\)だけ進んでいることがわかります。
また、始点から左下側に進むルートでは、\(\overrightarrow{F_2}\)だけ進んでから平行移動した\(\overrightarrow{F_1}\)だけ進んでいることがわかります。
これより、どちらのルートで進んでも\(\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}\)を求めていることになります。
※座標で考えると
下図のようにx-y座標を設定し、1マス分を1Nとします。
(N(ニュートン)は力の単位)
\(\overrightarrow{F_1}\)と\(\overrightarrow{F_2}\)をそれぞれ成分表示すると
\(\displaystyle{\overrightarrow{F_1}=\left(\begin{array}{r}+2\\0\end{array}\right)}\)
\(\displaystyle{\overrightarrow{F_2}=\left(\begin{array}{r}-1\\-3\end{array}\right)}\)
よって求めるベクトル\(\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}\)は成分同士を計算して
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}&=&\left(\begin{array}{r}+2\\0\end{array}\right)+\left(\begin{array}{r}-1\\-3\end{array}\right)\\\\&=&\left(\begin{array}{r}+2-1\\0-3\end{array}\right)\\\\&=&\left(\begin{array}{r}+1\\-3\end{array}\right)\end{eqnarray}}\)
これより、求めるベクトルは、設定した原点からx軸方向に+1、y軸方向に-3だけ進んだ、先ほどの解答の赤色のベクトルとなります。
1-3.問題3
\(\underline{\bf{問題3}}\)
次の力\(\overrightarrow{F_1}\)と\(\overrightarrow{F_2}\)の合成ベクトルを図示せよ。
\(\underline{\bf{解答3}}\)
問題2と同様にして、\(\overrightarrow{F_1}\)と\(\overrightarrow{F_2}\)を平行移動してできる平行四辺形の対角点と始点を結んだベクトルが求めるベクトルとなります。
よって、下図の赤色のベクトルが求めるベクトルです。
※座標で考えると
下図のようにx-y座標を設定し、1マス分を1Nとします。
(N(ニュートン)は力の単位)
\(\overrightarrow{F_1}\)と\(\overrightarrow{F_2}\)をそれぞれ成分表示すると
\(\displaystyle{\overrightarrow{F_1}=\left(\begin{array}{r}-1\\+3\end{array}\right)}\)
\(\displaystyle{\overrightarrow{F_2}=\left(\begin{array}{r}+3\\-2\end{array}\right)}\)
よって求めるベクトル\(\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}\)は成分同士を計算して
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}&=&\left(\begin{array}{c}-1\\+3\end{array}\right)+\left(\begin{array}{r}+3\\-2\end{array}\right)\\\\&=&\left(\begin{array}{r}-1+3\\+3-2\end{array}\right)\\\\&=&\left(\begin{array}{r}+2\\+1\end{array}\right)\end{eqnarray}}\)
これより、求めるベクトルは、設定した原点からx軸方向に+2、y軸方向に+1だけ進んだ、先ほどの解答の赤色のベクトルとなります。
1-4.問題4
\(\underline{\bf{問題4}}\)
次の力\(\overrightarrow{F_1}\)と\(\overrightarrow{F_2}\)の合成ベクトルを図示せよ。
\(\underline{\bf{解答4}}\)
問題2と同様にして、\(\overrightarrow{F_1}\)と\(\overrightarrow{F_2}\)を平行移動してできる平行四辺形の対角点と始点を結んだベクトルが求めるベクトルとなります。
よって、下図の赤色のベクトルが求めるベクトルです。
※座標で考えると
下図のようにx-y座標を設定し、1マス分を1Nとします。
(N(ニュートン)は力の単位)
\(\overrightarrow{F_1}\)と\(\overrightarrow{F_2}\)をそれぞれ成分表示すると
\(\displaystyle{\overrightarrow{F_1}=\left(\begin{array}{r}-3\\+0\end{array}\right)}\)
\(\displaystyle{\overrightarrow{F_2}=\left(\begin{array}{r}+1\\-3\end{array}\right)}\)
よって求めるベクトル\(\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}\)は成分同士を計算して
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}&=&\left(\begin{array}{r}-3\\0\end{array}\right)+\left(\begin{array}{r}+1\\-3\end{array}\right)\\\\&=&\left(\begin{array}{r}-3+1\\+0-3\end{array}\right)\\\\&=&\left(\begin{array}{r}-2\\-3\end{array}\right)\end{eqnarray}}\)
これより、求めるベクトルは、設定した原点からx軸方向に-2、y軸方向に-3だけ進んだ、先ほどの解答の赤色のベクトルとなります。
1-5.問題5
\(\underline{\bf{問題5}}\)
次の力\(\overrightarrow{F_1}\)、\(\overrightarrow{F_2}\)および\(\overrightarrow{F_3}\)の合成ベクトルを図示せよ。
\(\underline{\bf{解答5}}\)
今回求めるベクトルは、3つのベクトルの合成ベクトルとなります。
すなわち
\(\displaystyle{\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}+\overrightarrow{F_3}}\)
を求めることになります。
前の問題を解く際に、2力の合力はそれぞれのベクトルを平行移動してできる平行四辺形から求めることができました。
なので、今回も2力ずつ合成していき合成ベクトルを求めていきます。
つまり
\(\displaystyle{(\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2})+\overrightarrow{F_3}}\)
と考えます。
はじめに、\(\displaystyle{\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}}\)を求めていきます。
前問と同様にして\(\overrightarrow{F_1}\)と\(\overrightarrow{F_2}\)を平行移動してできる平行四辺形を用いて、\(\displaystyle{\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}}\)を求めると下図のようになります。
次に、求めた\(\displaystyle{\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}}\)と\(\overrightarrow{F_3}\)の合成ベクトルを求めます。
こちらも同様にして、\(\displaystyle{\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}}\)と\(\overrightarrow{F_3}\)を平行移動してできる平行四辺形を用いて求めると下図のようになります。
\(\displaystyle{\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}}\)と\(\overrightarrow{F_3}\)の合成ベクトルを求めたことで、
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&(\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2})+\overrightarrow{F_3}\\\\&&=\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}+\overrightarrow{F_3}\end{eqnarray}}\)
となり、求めるベクトルである\(\displaystyle{\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}+\overrightarrow{F_3}}\)を求めたことになります。
よって、上図の赤色のベクトルが求めるベクトルとなります。
※座標で考えると
下図のようにx-y座標を設定し、1マス分を1Nとします。
(N(ニュートン)は力の単位)
\(\overrightarrow{F_1}\)、\(\overrightarrow{F_2}\)および\(\overrightarrow{F_3}\)をそれぞれ成分表示すると
\(\displaystyle{\overrightarrow{F_1}=\left(\begin{array}{r}-1\\-3\end{array}\right)}\)
\(\displaystyle{\overrightarrow{F_2}=\left(\begin{array}{r}-2\\+3\end{array}\right)}\)
\(\displaystyle{\overrightarrow{F_3}=\left(\begin{array}{r}+2\\+2\end{array}\right)}\)
よって求めるベクトル\(\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}+\overrightarrow{F_3}\)は成分同士を計算して
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\overrightarrow{F_1}+\overrightarrow{F_2}+\overrightarrow{F_3}&=&\left(\begin{array}{r}-1\\-3\end{array}\right)+\left(\begin{array}{r}-2\\+3\end{array}\right)+\left(\begin{array}{r}+2\\+2\end{array}\right)\\\\&=&\left(\begin{array}{r}-1-2+2\\-3+3+2\end{array}\right)\\\\&=&\left(\begin{array}{r}-1\\+2\end{array}\right)\end{eqnarray}}\)
これより、求めるベクトルは、設定した原点からx軸方向に-1、y軸方向に+2だけ進んだ、先ほどの解答の赤色のベクトルとなります。
2.力の分解
2-1.問題1
\(\underline{\bf{問題1}}\)
下図の力をx軸方向のベクトル\(\vec{F}_x\)とy軸方向のベクトル\(\vec{F}_y\)に分解し図示せよ。
また、\(\vec{F}\)をx成分とy成分で表示せよ。
ただし、図中の\(\vec{F}\)の大きさは
\(|\vec{F}|=4N\)
とする。
(N(ニュートン)は力の単位)
\(\underline{\bf{解答1}}\)
ベクトルに関する知識と、三角関数に関する知識を用いますので、こちらも参考にしてください。
→三角関数の定義と関係式
→ベクトルの演算と成分表示
力の分解は、力の合成の逆の操作となります。
分解したいベクトルを対角辺とする平行四辺形を作図して、任意の(好きな)2方向のベクトルに分解することができます。
今回は、x軸方向とy軸方向に分解するので、このx軸とy軸に平行な辺で構成され、分解するベクトルを対角辺とする四角形を作図します。
次に、分解するベクトルの始点から、作図した四角形の辺上を通り、分解するベクトルの終点方向にそれぞれベクトルを作図します。
このベクトルは、x軸の向きとy軸の向きそれぞれで作図できます。
作図したベクトルは下図の赤色のベクトルとなり、これらがそれぞれもとのベクトルをx軸方向とy軸方向に分解したものとなります。
上図において、
\(\displaystyle{\vec{F}=\vec{F}_x+\vec{F}_y}\)
となっていることを確認してみてください。
次に、これらの成分を数値でみていきます。
三角関数から、x成分の大きさ\(|\vec{F}_x|\)は
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}|\vec{F}_x|&=&|\vec{F}|\cos30°\\\\&=&4N×\frac{\sqrt{3}}{2}\\\\&=&2\sqrt{3}N\end{eqnarray}}\)
三角関数から、y成分の大きさ\(|\vec{F}_y|\)は
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}|\vec{F}_y|&=&|\vec{F}|\sin30°\\\\&=&4N×\frac{1}{2}\\\\&=&2N\end{eqnarray}}\)
また、ベクトルは向きと大きさをもつので、大きさだけでなく向きも考えなけらばなりません。
\(\vec{F}_x\)はx軸の正の向きなので符合は+となります。
\(\vec{F}_y\)はy軸の正の向きなので符合は+となります。
よって、
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\vec{F}_x&=&+|\vec{F}_x|\\\\&=&+2\sqrt{3}N\end{eqnarray}}\)
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\vec{F}_y&=&+|\vec{F}_y|\\\\&=&+2N\end{eqnarray}}\)
となります。
※それぞれ、x軸方向とy軸方向での一次元で考えた場合上記のようになります。
二次元で考えた場合、それぞれ\(\vec{F}_x\)のy成分は0、\(\vec{F}_y\)のx成分は0となります
\(\vec{F}\)を成分表示すると、x成分の値は\(\vec{F}_x\)、y成分の値は\(\vec{F}_y\)となるので
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\vec{F}&=&\left(\begin{array}{c}F_x\\F_y\end{array}\right)\\\\&=&\left(\begin{array}{l}+2\sqrt{3}N\\+2N\end{array}\right)\end{eqnarray}}\)
となります。
2-2.問題2
\(\underline{\bf{問題2}}\)
下図の力をx軸方向のベクトル\(\vec{F}_x\)とy軸方向のベクトル\(\vec{F}_y\)に分解し図示せよ。
また、\(\vec{F}\)をx成分とy成分で表示せよ。
ただし、図中の\(\vec{F}\)の大きさは
\(|\vec{F}|=6N\)
とする。
(N(ニュートン)は力の単位)
\(\underline{\bf{解答2}}\)
問題1と同様にして、x軸とy軸に平行な辺を持つ四角形を作成し、ベクトルを分解すると下図のようになります。
分解したそれぞれのベクトルの大きさは、同様にして三角関数を用いて、
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}|\vec{F}_x|&=&|\vec{F}|\cos60°\\\\&=&6N×\frac{1}{2}\\\\&=&3N\end{eqnarray}}\)
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}|\vec{F}_y|&=&|\vec{F}|\sin60°\\\\&=&6N×\frac{\sqrt{3}}{2}\\\\&=&3\sqrt{3}N\end{eqnarray}}\)
次に、ベクトルの符合を考えます。
\(\vec{F}_x\)はx軸の負の向きなので符合は-となります。
\(\vec{F}_y\)はy軸の正の向きなので符合は+となります。
よって、
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\vec{F}_x&=&-|\vec{F}_x|\\\\&=&-3N\end{eqnarray}}\)
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\vec{F}_y&=&+|\vec{F}_y|\\\\&=&+3\sqrt{3}N\end{eqnarray}}\)
となります。
※それぞれ、x軸方向とy軸方向での一次元で考えた場合上記のようになります。
二次元で考えた場合、それぞれ\(\vec{F}_x\)のy成分は0、\(\vec{F}_y\)のx成分は0となります
\(\vec{F}\)を成分表示すると、x成分の値は\(\vec{F}_x\)、y成分の値は\(\vec{F}_y\)となるので
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\vec{F}&=&\left(\begin{array}{c}\vec{F}_x\\\vec{F}_y\end{array}\right)\\\\&=&\left(\begin{array}{l}-3N\\+3\sqrt{3}N\end{array}\right)\end{eqnarray}}\)
となります。
※三角関数の単位円と同じようにして角度をとると、符合の情報も含んだ値となります。
すなわち、下図のように角度をとります。
(180°-60°=120°となっている)
このように角度をとると、三角関数が符合の情報も含むので\(\vec{F}_x\)と\(\vec{F}_y\)はそれぞれ
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\vec{F}_x&=&|\vec{F}|\cos120°\\\\&=&6N×\left(-\frac{1}{2}\right)\\\\&=&-3N\end{eqnarray}}\)
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\vec{F}_y&=&|\vec{F}|\sin120°\\\\&=&6N×\left(+\frac{\sqrt{3}}{2}\right)\\\\&=&+3\sqrt{3}N\end{eqnarray}}\)
となります。
2-3.問題3
\(\underline{\bf{問題3}}\)
下図の力をx軸方向のベクトル\(\vec{F}_x\)とy軸方向のベクトル\(\vec{F}_y\)に分解し図示せよ。
また、\(\vec{F}\)をx成分とy成分で表示せよ。
ただし、図中の\(\vec{F}\)の大きさは
\(|\vec{F}|=2N\)
とする。
(N(ニュートン)は力の単位)
\(\underline{\bf{解答3}}\)
問題1と同様にして、x軸とy軸に平行な辺を持つ四角形を作成し、ベクトルを分解すると下図のようになります。
分解したそれぞれのベクトルの大きさは、同様にして三角関数を用いて、
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}|\vec{F}_x|&=&|\vec{F}|\cos45°\\\\&=&2N×\frac{1}{\sqrt{2}}\\\\&=&\sqrt{2}N\end{eqnarray}}\)
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}|\vec{F}_y|&=&|\vec{F}|\sin45°\\\\&=&2N×\frac{1}{\sqrt{2}}\\\\&=&\sqrt{2}N\end{eqnarray}}\)
次に、ベクトルの符合を考えます。
\(\vec{F}_x\)はx軸の正の向きなので符合は+となります。
\(\vec{F}_y\)はy軸の負の向きなので符合は-となります。
よって、
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\vec{F}_x&=&-|\vec{F}_x|\\\\&=&+\sqrt{2}N\end{eqnarray}}\)
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\vec{F}_y&=&+|\vec{F}_y|\\\\&=&-\sqrt{2}N\end{eqnarray}}\)
となります。
※それぞれ、x軸方向とy軸方向での一次元で考えた場合上記のようになります。
二次元で考えた場合、それぞれ\(\vec{F}_x\)のy成分は0、\(\vec{F}_y\)のx成分は0となります
\(\vec{F}\)を成分表示すると、x成分の値は\(\vec{F}_x\)、y成分の値は\(\vec{F}_y\)となるので
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\vec{F}&=&\left(\begin{array}{c}\vec{F}_x\\\vec{F}_y\end{array}\right)\\\\&=&\left(\begin{array}{l}+\sqrt{2}N\\-\sqrt{2}N\end{array}\right)\end{eqnarray}}\)
となります。
※三角関数の単位円と同じようにして角度をとると、符合の情報も含んだ値となります。
すなわち、下図のように角度をとります。
(360°-45°=315°となっている)
このように角度をとると、三角関数が符合の情報も含むので\(\vec{F}_x\)と\(\vec{F}_y\)はそれぞれ
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\vec{F}_x&=&|\vec{F}|\cos315°\\\\&=&6N×\left(+\frac{1}{\sqrt{2}}\right)\\\\&=&+\sqrt{2}N\end{eqnarray}}\)
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\vec{F}_y&=&|\vec{F}|\sin315°\\\\&=&6N×\left(-\frac{1}{\sqrt{2}}\right)\\\\&=&-\sqrt{2}N\end{eqnarray}}\)
となります。
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