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【高校物理】力のはたらきとつりあい(力の書き方見つけ方練習問題)【つりあい】【作用・反作用】【練習問題】
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力とベクトルの記事で解説した内容の練習問題となります。
特に、物体にかかっている力の見つけ方や書き方の問題となっています。
実際に問題を解く際には、解説した内容をどのように用いるのかに注目して読み進めてください。
また、力のはたらきとつりあい記事で解説していなかった補足内容があれば、この記事に載せています。
問題の中でも特に、問題5~8は、繰り返し解いて完答できるようにしてください。
「力のはたらきとつりあい」に関する記事はこちらです。
→力のはたらきとつりあい
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目次
- 1.問題1(力の描き方見つけ方)
- 2.問題2(力の描き方見つけ方)
- 3.問題3(作用・反作用の法則)
- 4.問題4(「つりあいの力」と「作用・反作用の力」の違い)
- 5.問題5(力の描き方見つけ方)
- 6.問題6(力の描き方見つけ方)
- 7.問題7(力の描き方見つけ方)
- 8.問題8(力の描き方見つけ方)
1.問題1(力の描き方見つけ方)
\(\underline{\bf{問題1}}\)
下図のように、物体に左向きの力Fを加えても動かないとき、物体は水平方向にどのような力を受けているか。
\(\underline{\bf{解答1}}\)
問題文に動かないと書いてあることから、力がつりあっていることが分かります。
(力がつりあっていない場合は動く)
このことから今、物体には左向きにFの力がかかっているので、つりあうためには右向きの力が必要であることが想像できます。
物体にかかっている接触力を見つけるには、物体をなでまわしたときに、あたってところに力がはたらいています。
今回、物体をなでまわしてみると、物体は地面とあたっていることが分かります。
地面が粗いか滑らかであるかの記述はありませんが、物体は力Fによって左向きに動こうとしているので、静止するためには、地面と物体の間にはその動きを妨げる向きにはたらく右向きの力である摩擦力がはたらいていると想像できます。
よって、この物体は水平方向に力Fと摩擦力を受けていることになります。
ちなみに、物体にかかっている全ての力は以下のようになります。
〇重力\(mg\)←”非接触力”であり、常に物体にかかっている。
〇垂直抗力N←物体は地面と接しており、地面から垂直に物体を貫く方向にかかる”接触力”。
〇力F←問題文の設定にある、物体に左向きにかかっている”接触力”。
〇摩擦力f←地面と物体の間にかかっている”接触力”で、物体の動きを妨げる向きにはたらく。
また上図と物体は動かない(物体にはたらく力がつりあっている)ことから、水平方向だけでなく鉛直方向に関しても、垂直抗力Nと重力\(mg\)がつりあっていることがわかります。
水平方向(左右方向)では、力Fと摩擦力fがつりあっていることで、物体は左右方向には動かず、鉛直方向(上下方向)には垂直抗力Nと重力\(mg\)がつりあっていることで、物体は上下方向には動かないことになります。
\(\underline{\textcolor{red}{\bf{○ポイント}}}\)
・物体が動かない
→”力がつりあっている”はず
・接触力は、物体をなでまわしたときにあたった部分にはたらいている
2.問題2(力の描き方見つけ方)
\(\underline{\bf{問題2}}\)
下図のようになめらかな床の上に置かれた物体がある。
この物体にはばねと糸が取り付けられており、ばねの他端は壁に固定してある。
糸を水平に引き、ばねがのびた状態で物体が静止しているとき、物体が受けている力を全て答え、図示せよ。
\(\underline{\bf{解答2}}\)
物体には常に非接触力である、”重力”がかかっています。
重力の向きは、地球の中心方向(鉛直下向き)となります。
また、接触力を見つけるには、注目している物体の表面をなでまわします。
なでまわした際にぶつかる部分があれば、そこに力がはたらいています。
今回物体をなでまわしてみると、糸と床とばねにぶつかるので、この部分に力がはたらいていることが分かります。
次にそれぞれの部分にかかっている力についてみていきます。
〇物体と糸の接触部分にかかっている力
この部分の張力をTとすると、力は糸を引っ張ったときに抜ける方向にはたらきます。
今回の場合は、糸を引っ張ると右向きに抜けるので右向きに力がかかります。
〇物体と床の接触部分にかかっている力
この部分には抗力がはたらいています。
抗力には、垂直抗力と摩擦力がありますが、今回床はなめらかなので摩擦力ははたらいていません。
垂直抗力の方向は、接触面から垂直に自分を貫く方向にはたらきます。
今回の場合は鉛直上向きに力がかかっています。
この垂直抗力をNとします。
〇物体とばねの接触部分にかかっている力
ばねの弾性力は、ばねの伸びや縮みと逆方向にかかります。(ばねが元に戻ろうとする方向にかかる)
今回、ばねは伸びているので縮もうとする方向である左向きにかかります。
また、ばねの弾性力の”大きさ”はばねの伸びや縮みの大きさに比例し、比例定数をばね定数といいます。
ばねの伸びや縮みを\(x\)、ばね定数をkとすると、弾性力の大きさは\(kx\)と表せます。
以上より、それぞれの物体にはたらいている力を図示すると、下図のようになります。
これより、物体が受けている力は
・重力
・糸による張力
・床からの垂直抗力
・ばねの弾性力
となります。
ちなみに、物体が静止していることから、つりあいの式を立てると下記のようになります。
(ばねの弾性力をfとする)
\(\underline{\textcolor{red}{\bf{○ポイント}}}\)
・力には2種類ある
①接触力
…くっついている点や面ではたらく力→いろいろある
②非接触力
…くっついていなくてもはたらく力→重力\(mg\) など
3.問題3(作用・反作用の法則)
\(\underline{\bf{問題3}}\)
氷の上で静止している人が壁を押すと、人は壁から離れる向きに動いた。
このとき、人は何から力を受けて動いたか?
氷と人の間および、壁と人の間に摩擦力ははたらかないとする。
\(\underline{\bf{解答3}}\)
問題文から、人が壁を押したときに、人は図の右向き(壁から離れる向き)に動くことが分かります。
このとき、人にかかっている力を考えます。
非接触力である重力\(mg\)は常にはたらいており、鉛直下向きです。
次に接触力をみつけていきますが、人は氷と壁に接触しています。
このことから、氷と壁から垂直抗力を受けます。(問題文から摩擦力ははたらかない)
上記の重力と垂直抗力を図示すると下図のようになります。
(氷から受ける垂直抗力を\(N_{氷}\)、壁から受ける垂直抗力を\(N_{壁}\)とする)
上図から
\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&\bf{人は壁から\textcolor{red}{離れる向きに動く}}\\\Leftrightarrow&&\bf{右向きに力がはたらく(∵つりあっていたら動かない)}\\\Leftrightarrow&&\bf{右向きの力N_{壁}(壁から人への垂直抗力)}\end{eqnarray}}\)
よって、人は”壁から”力を受けて動いたことになります。
ここで、人は壁を押したことにより、壁は人から力を受けています。
それと同時に、作用・反作用の法則により、人も壁から力を受けます。
このことから、壁が人から受けた力の反作用で人は右向きに動いたことになります。
\(\underline{\textcolor{red}{\bf{○ポイント}}}\)
〇作用・反作用の法則
・接触面や接触点での力(逆向き、同じ大きさ、同一作用線)のペア
・重力や磁力でのペア(非接触力)
4.問題4(「つりあいの力」と「作用・反作用の力」の違い)
\(\underline{\bf{問題4}}\)
下図のように、水平面上に物体が静止しているとする。
このとき、物体と地球に注目し、物体にはたらいている力および、地球にはたらいている力を図示せよ。
また、図示した力のうち、「つりあいの力」の関係および、「作用・反作用」の関係にある力をそれぞれ答えよ。
\(\underline{\bf{解答4}}\)
今回は、着目する必要があるものが2つあります。(物体と地球)
このように、主人公が2つ以上あるとき(はたらいている力を考える物体が2つ以上あるとき)は\(\textcolor{green}{\bf{別々の図}}\)を描きます。
まずは物体について、いつものように力を描いていきます。
非接触力である重力\(mg\)は常にかかっており、地面と接しているので接触力である垂直抗力がかかっています。
左右方向には接触している部分はないので、力ははたらかず、静止していることから摩擦力もかかっていません。(摩擦力がかかっていれば、左右どちらかに力がかかり動いてしまう)
以上のことから、物体にかかっている力は、下図のようになります。
ここで重力について深掘りします。
詳しくは万有引力の項で学ぶことになりますが、「重力」とは地表付近における「万有引力」のこととなります。
また「万有引力」は、お互いに引き付ける方向にはたらきます。
上図の物体にはたらいている重力は、「地球」が「物体」を引き付ける力となります。
ここで注目したいのは、「万有引力(重力)」は「お互いに引き付ける力」という部分です。
よって、地球が物体を引き付けているのと同時に、物体が地球を引き付けてもいます。
以上のことをふまえて、地球にはたらいている力を考えてみます。
上述のように、物体と地球の間には「万有引力(重力)」がはたらいているので、地球の中心から物体の中心の向きに重力がはたらいています。
また、地球と物体は接しているので、この部分に垂直抗力が地球を貫く向きにはたらいています。
よって、地球にはたらいている力は下図のようになります。
比較整理すると、下図のようになります。
次に、「つりあいの力」と「作用・反作用の力」をみていきます。
つりあいの力
→「1つ」の物体に同一直線上にはたらき、同じ大きさで逆向き
作用・反作用の力
→「2つ」の物体に同一直線上にはたらき、同じ大きさで逆向き
以上のことを考えると、「つりあいの力」と「作用・反作用の力」の関係にある力は、それぞれ下図のようになります。
(力の文字の色は、比較整理した上図の色と対応しています。上図と比較しながら見てみてください)
\(\underline{\textcolor{red}{\bf{○ポイント}}}\)
〇つりあいの力
→同一の物体が受ける力
〇作用・反作用の力
→異なる2つの物体が及ぼしあう力
5.問題5(力の描き方見つけ方)
\(\underline{\bf{問題5}}\)
次の斜線で表された物体にかかっている力を、ベクトル(→)で図示せよ。
ただし、重力を\(mg\)、垂直抗力をN、張力をT、摩擦力をf、ばねの弾性力を\(f_s\)、浮力を\(f_f\)、外力をFとし、前述の記号をベクトルのそばに書き添えること。
また、同じ種類の力がかかっており、これらの力の大きさが異なる場合は\(N^{\prime}\)や\(N_1\)などで大きさが異なっていることが分かるようにせよ。(おなじ大きさならば、添え字などは必要ない)
\(\underline{\bf{解答5}}\)
解答は下図のようになります。
6.問題6(力の描き方見つけ方)
\(\underline{\bf{問題6}}\)
次の物体または人にはたらく力をベクトル(→)でそれぞれ描け。
その際、その力が重力の場合は\(mg\)、垂直抗力の場合N、摩擦力の場合f、張力の場合T、ばねの弾性力の場合\(f_s\)、浮力の場合\(f_f\)をベクトルの傍に書き添えること。
また、同じ種類の力がかかっており、これらの力の大きさが異なる場合は\(N^{\prime}\)や\(N_1\)などで大きさが異なっていることが分かるようにせよ。(おなじ大きさならば、添え字などは必要ない)
\(\underline{\bf{解答6}}\)
解答は下図のようになります。
特に、(7)と(8)について、下図の力のペアはそれぞれ作用・反作用の関係となります。
物体Bの摩擦力の向きは分かりやすいと思いますが、物体Aの摩擦力の向きを把握するのは難しいと思います。
このような場合には、まず物体Bの摩擦力を考えたあとに、物体Aには物体Bの反作用の力がはたらいていると考え、物体Bとは逆向きの摩擦力を考えると分かりやすいと思います。
7.問題7(力の描き方見つけ方)
\(\underline{\bf{問題7}}\)
次の物体または人にはたらく力をベクトル(→)でそれぞれ描け。
その際、その力が重力の場合は\(mg\)、垂直抗力の場合N、摩擦力の場合f、張力の場合T、ばねの弾性力の場合\(f_s\)、浮力の場合\(f_f\)をベクトルの傍に書き添えること。
また、同じ種類の力がかかっており、これらの力の大きさが異なる場合は\(N^{\prime}\)や\(N_1\)などで大きさが異なっていることが分かるようにせよ。(おなじ大きさならば、添え字などは必要ない)
ただし、空気抵抗は無視するものとする。
\(\underline{\bf{解答7}}\)
解答は下図のようになります。
8.問題8(力の描き方見つけ方)
\(\underline{\bf{問題8}}\)
次の物体または人にはたらく力をベクトル(→)でそれぞれ描け。
その際、その力が重力の場合は\(mg\)、垂直抗力の場合N、摩擦力の場合f、張力の場合T、ばねの弾性力の場合\(f_s\)、浮力の場合\(f_f\)をベクトルの傍に書き添えること。
また、同じ種類の力がかかっており、これらの力の大きさが異なる場合は\(N^{\prime}\)や\(N_1\)などで大きさが異なっていることが分かるようにせよ。(おなじ大きさならば、添え字などは必要ない)
ただし、空気抵抗は無視するものとする。
\(\underline{\bf{解答8}}\)
解答は下図のようになります。
(11)について、重力は下向き、垂直抗力は左斜め上向き(左向きと上向き)、ばねの弾性力は左斜め下向き(左向きと下向き)となっており、これらの力だけだと、右向きの力がないので左向きに動いてしまうことになります。
問題文の前提から、物体は静止しているので右向きの力が必要となります。
よって、コンベアと物体の間に摩擦力が必要であることがわかります。
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