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炉けーのブログ
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【高校物理】v-tグラフと等加速度直線運動(補足解説と問題の解き方)【v-tグラフ】【等加速度直線運動】【練習問題】

\(\require{color}\)

\(\require{cancel}\)

v-tグラフと等加速度直線運動の記事で解説した内容の練習問題となります。

実際に問題を解く際には、解説した内容をどのように用いるのかに注目して読み進めてください。

また、v-tグラフと等加速度直線運動の記事で解説していなかった補足内容があれば、この記事に載せています。

この記事を通して、”等加速度直線運動の公式”と呼ばれるものを用いなくても、問題が解けるとということを味わってください。

加速度の定義式と、v-tグラフの面積を求める式のみで解くことができます。

「v-tグラフと等加速度直線運動」の記事はこちらです。
v-tグラフと等加速度直線運動

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目次

1.v-tグラフの作成練習

1-1.問題1

\(\underline{\bf{問題1}}\)


静止している物体が、右向きの加速度\(5.0m/s^2\)で\(5.0\)秒間移動したときの変位はどちら向きに何\(m\)か。

\(\underline{\bf{解答1}}\)


物体は右向きに運動するので、右向きを正とします。

はじめとあとの情報を整理すると




はじめ:t=0sのとき静止(0m/s)


あと:t=4.0sのとき\(v_{あと}\)[m/s]


右向きの加速度\(5.0m/s^2\)
→\(+5.0m/s^2\)(右向きを正としているので符合は正)




また、加速度はv-tグラフの傾きを表すので、傾きは\(+5.0m/s^2\)と右上がりとなります。

v-tグラフの面積は変位(\(x\))を表すので、v-tグラフは下図のようになります。

問題1のv-tグラフ

加速度の定義式から


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&5.0m/s^2=\frac{v_{あと}-0m/s}{5.0s-0s}\\\\{\Leftrightarrow}&&v_{あと}=25m/s\end{eqnarray}}\)



変位・速度・加速度の定義式についてはこちら
変位・速度・加速度


v-tグラフの面積から、三角形の面積を求める式を用いて


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}{\bf{変位}}x&=&5.0s×v_{あと}×\frac{1}{2}\\\\&=&5.0s×25m/s×\frac{1}{2}\\\\&=&+62.5m\\\\&≒&63m\end{eqnarray}}\)


よって求める変位は、右向きを正としているので


\(\underline{{\bf{右向きに}}63m}\)

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1-2.問題2

\(\underline{\bf{問題2}}\)


右向きの速さ2.0m/sで進んでいた物体が、右向きの加速度\(2.0m/s^2\)の運動をはじめ、右側に15m移動した。

このときの、物体の速度はどちら向きに何m/sか。

\(\underline{\bf{解答2}}\)


物体は右向きに運動するので、右向きを正とします。

はじめとあとの情報を整理すると




はじめ:t=0sのとき右向きの速さ2.0m/s
   →t=0sのとき+2.0m/s(右向き正なので符合は正)


あと:\(t=t_{あと}\)のとき\(v_{あと}\)[m/s]


右向きの加速度\(2.0m/s^2\)
→\(+2.0m/s^2\)(右向きを正としているので符合は正)




また、加速度はv-tグラフの傾きを表すので、傾きは\(+2.0m/s^2\)と右上がりとなります。

v-tグラフの面積は変位15mを表すので、v-tグラフは下図のようになります。

問題2のv-tグラフ

加速度の定義式から




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&2.0m/s^2=\frac{v_{あと}-(+2.0m/s)}{t_{あと}-0s}\\\\{\Leftrightarrow}&&v_{あと}=2.0t+2.0m/s \cdots①\end{eqnarray}}\)




v-tグラフの面積から、台形の面積を求める式を用いて




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&15m=(2.0m/s+v_{あと})×t_{あと}×\frac{1}{2}\\\\{\Leftrightarrow}&&30m=(2.0m/s+v_{あと})×t_{あと} \cdots②\end{eqnarray}}\)




①を②に代入して




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&30m=\left\{2.0m/s+(2.0t_{あと}+2.0m/s)\right\}×t_{あと}\\\\{\Leftrightarrow}&&30m=(4.0m/s+2.0t_{あと})×t_{あと}\\\\{\Leftrightarrow}&&2.0t_{あと}^2+4.0t_{あと}-30=0\\\\{\Leftrightarrow}&&t_{あと}^2+2.0t_{あと}-15=0\\\\{\Leftrightarrow}&&(t_{あと}+5)(t_{あと}-3)=0\end{eqnarray}}\)




v-tグラフから、\(t_{あと}\gt0\)より




\(t_{あと}\)=3s




これを①に代入して、




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}v_{あと}&=&2.0×3m/s+2.0m/s\\\\&=&+8.0m/s\end{eqnarray}}\)




よって求める速度は、右向きを正としているので


\(\underline{{\bf{右向きに}}8.0m/s}\)

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1-3.問題3

静止している物体が、右向きの加速度\(3.0m/s^2\)の運動をはじめ、右向きの速さ\(6.0m/s\)になった。

この間の変位はどちら向きに何\(m\)か。

\(\underline{\bf{解答3}}\)


物体は右向きに運動するので、右向きを正とします。

はじめとあとの情報を整理すると




はじめ:t=0sのとき静止(0m/s)


あと:\(t=t_{あと}\)のとき右向きの速さ6.0m/s
  →\(t=t_{あと}\)のとき+6.0m/s(右向きを正としているので符合は正)


右向きの加速度\(3.0m/s^2\)
→\(+3.0m/s^2\)(右向きを正としているので符合は正)




また、加速度はv-tグラフの傾きを表すので、傾きは\(+3.0m/s^2\)と右上がりとなります。

v-tグラフの面積は変位(\(x\))を表すので、v-tグラフは下図のようになります。

問題3のv-tグラフ

加速度の定義式から




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&3.0m/s^2=\frac{6.0m/s-0m/s}{t_{あと}-0s}\\\\{\Leftrightarrow}&&t_{あと}=2.0s\end{eqnarray}}\)




v-tグラフの面積から、三角形の面積を求める式を用いて




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}{\bf{変位}}x&=&t_{あと}×6.0m/s×\frac{1}{2}\\\\&=&2.0s×6.0m/s×\frac{1}{2}\\\\&=&+6.0m\end{eqnarray}}\)




よって求める変位は、右向きを正としているので


\(\underline{{\bf{右向きに}}6.0m}\)

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1-4.問題4

\(\underline{\bf{問題4}}\)


右向きの速さ2.0m/sで進んでいた物体が、右向きの加速度\(2.0m/s^2\)の運動をはじめ、右向きの速さ6.0m/sになった。

この間の変位は、どちら向きに何mか。

\(\underline{\bf{解答4}}\)


物体は右向きに運動するので、右向きを正とします。

はじめとあとの情報を整理すると




はじめ:t=0sのとき右向きの速さ2.0m/s
   →t=0sのとき+2.0m/s(右向き正なので符合は正)


あと:\(t=t_{あと}\)のとき右向きの速さ6.0m/s
  →\(t=t_{あと}\)のとき+6.0m/s(右向き正なので符号は正)


右向きの加速度\(2.0m/s^2\)
→\(+2.0m/s^2\)(右向きを正としているので符合は正)




また、加速度はv-tグラフの傾きを表すので、傾きは\(+2.0m/s^2\)と右上がりとなります。

v-tグラフの面積は変位(\(x\))を表すので、v-tグラフは下図のようになります。

問題4のv-tグラフ

加速度の定義式から




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&2.0m/s^2=\frac{6.0m/s-(+2.0m/s)}{t_{あと}-0s}\\\\{\Leftrightarrow}&&t_{あと}=2.0s\end{eqnarray}}\)




v-tグラフの面積から、台形の面積を求める式を用いて




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}{\bf{変位}}x&=&(2.0m/s+6.0m/s)×t_{あと}×\frac{1}{2}\\\\&=&(2.0m/s+6.0m/s)×2.0s×\frac{1}{2}\\\\&=&+8.0m\end{eqnarray}}\)




よって求める変位は、右向きを正としているので


\(\underline{{\bf{右向きに}}8.0m}\)

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1-5.問題5(難)

\(\underline{\bf{問題5(難)}}\)


右向きの速さ8.0m/sで進んでいた物体が、一定の加速度の運動をはじめ、右側に13m移動して、左向きの速さ5.0m/sになった。

加速度はどちら向きに何\(m/s^2\)か。

\(\underline{\bf{解答5}}\)


物体ははじめ、右向きに運動しているので、右向きを正とします。

はじめとあとの情報を整理すると




はじめ:t=0sのとき右向きの速さ8.0m/s
   →t=0sのとき+8.0m/s(右向き正なので符合は正)


あと:\(t=t_{あと}\)のとき左向きの速さ5.0m/s
  →\(t=t_{あと}\)のとき-5.0m/s(右向き正なので符号は負)


一定の加速度
→v-tグラフの傾きは直線


右側に13m移動
→変位は+13m(右向き正なので符号は正)




v-tグラフの面積は変位+13mを表すので、v-tグラフは下図のようになります。

問題5のv-tグラフ

加速度の定義式から




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&a[m/s^2]=\frac{-5.0m/s-(+8.0m/s)}{t_{あと}-0s}\\\\{\Leftrightarrow}&&a[m/s^2]=\frac{-13m/s}{t_{あと}} \cdots①\end{eqnarray}}\)




変位+13mは、

問題5の変位面積

なので、




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&13m=8.0m/s×t_{あと}-|\frac{1}{2}t_{あと}×13m/s|\\\\{\Leftrightarrow}&&13m=8.0m/s×t_{あと}-\frac{13}{2}m/s×t_{あと}\\\\{\Leftrightarrow}&&26m=16m/s×t_{あと}-13m/s×t_{あと}\\\\{\Leftrightarrow}&&26m=3m/s×t_{あと}\\\\{\Leftrightarrow}&&t_{あと}=\frac{26}{3}s \cdots②\end{eqnarray}}\)




②を①に代入して




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}a&=&\frac{-13m/s}{\frac{26}{3}s}\\\\&=&\frac{-13×3m/s}{26s}\\\\&=&-\frac{3}{2}m/s^2\\\\&=&-1.5m/s^2\end{eqnarray}}\)




よって求める加速度は、右向きを正としており、求めた加速度の符号は負なので


\(\underline{{\bf{左向きに}}1.5m/s^2}\)

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\(\underline{\bf{<考察>}}\)


v=0m/sのときの時刻をt’とすると、v-tグラフは下図のようになります。

問題5の考察v-tグラフ

t’を求めていきます。


正の部分の三角形に注目して、加速度の定義式から




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&-1.5m/s^2=\frac{0m/s-(+8.0m/s)}{t^{\prime}-0s}\\\\{\Leftrightarrow}&&t^{\prime}=\frac{-8.0m/s}{-1.5m/s^2}\\\\{\Leftrightarrow}&&t^{\prime}=\frac{16}{3}s\end{eqnarray}}\)




正の部分の面積は




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}t^{\prime}×8.0m/s×\frac{1}{2}&=&\frac{16}{3}s×8.0m/s×\frac{1}{2}\\\\&=&\frac{64}{3}m\end{eqnarray}}\)




以上より、正の方向(右向き)に進んだ距離は


\(\displaystyle{\textcolor{red}{\frac{64}{3}m}}\)


となります。

次に負の部分の三角形の辺の長さは、下図のようになります。

問題5の考察負の面積

よって、負の部分の面積は




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&(t_{あと}-t^{\prime})×5.0m/s×\frac{1}{2}\\\\=&&\left(\frac{26}{3}s-\frac{16}{3}s\right)×5.0m/s×\frac{1}{2}\\\\&&=\frac{10}{3}s×5.0m/s×\frac{1}{2}\\\\&&=\frac{25}{3}m\end{eqnarray}}\)




以上より、負の方向(左向き)に進んだ距離は


\(\displaystyle{\textcolor{blue}{\frac{25}{3}m}}\)


となります。




あとの速度\(-5.0m/s\)を用いると、面積は


\(\displaystyle{-\frac{25}{3}m}\)


と負になる。

これは、右向きが正なので、負の向きである左向きに\(\frac{25}{3}m\)ということを意味しています。

以上から、状況を整理すると




はじめ:
右向きに8.0m/s


途中:
\(0~\frac{16}{3}s\)の間に、右向きに\(\frac{52}{3}m\)進んで、その後左向きに方向転換する。


\(\frac{16}{3}s~\frac{26}{3}s\)の間に左向きに\(\frac{25}{3}m\)進んで、左向きの速さ5.0m/sになる。




イメージは、下図のようになります。

問題5の考察イメージ図

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1-6.問題6(難)

\(\underline{\bf{問題6(難)}}\)


右向きの速さ2.0m/sで進んでいた物体が、一定の加速度の運動をはじめ、左側に4.0m移動して、左向きの速さ6.0m/sになった。

加速度はどちら向きに何\(m/s^2\)か。

\(\underline{\bf{解答6}}\)


物体ははじめ、右向きに運動しているので、右向きを正とします。

はじめとあとの情報を整理すると




はじめ:t=0sのとき右向きの速さ2.0m/s
   →t=0sのとき+2.0m/s(右向き正なので符合は正)


あと:\(t=t_{あと}\)のとき左向きの速さ6.0m/s
  →\(t=t_{あと}\)のとき-6.0m/s(右向き正なので符号は負)


一定の加速度
→v-tグラフの傾きは直線


左側に4.0m移動
→変位は-4.0m(右向き正なので符号は負)

\(\textcolor{red}{\bf{注意!!}}\)

問題5と同様の方法で解いていきますが、変位が左側に4.0mであることから符号は負となることに注意。




v-tグラフの面積は変位-4.0mを表すので、v-tグラフは下図のようになります。

問題6のv-tグラフ

加速度の定義式から




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&a[m/s^2]=\frac{-6.0m/s-(+2.0m/s)}{t_{あと}-0s}\\\\{\Leftrightarrow}&&a[m/s^2]=\frac{-8.0m/s}{t_{あと}} \cdots①\end{eqnarray}}\)




変位-4.0mは、

問題6の変位面積

なので、




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&-4.0m=2.0m/s×t_{あと}-|\frac{1}{2}t_{あと}×8.0m/s|\\\\{\Leftrightarrow}&&-4.0m=2.0m/s×t_{あと}-4.0m/s×t_{あと}\\\\{\Leftrightarrow}&&-4.0m=-2.0m/s×t_{あと}\\\\{\Leftrightarrow}&&t_{あと}=2.0s \cdots②\end{eqnarray}}\)




②を①に代入して




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}a&=&\frac{-8.0m/s}{2.0s}\\\\&=&-4.0m/s^2\end{eqnarray}}\)




よって求める加速度は、右向きを正としており、求めた加速度の符号は負なので


\(\underline{{\bf{左向きに}}4.0m/s^2}\)

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\(\underline{\bf{<考察>}}\)


v=0m/sのときの時刻をt’とすると、v-tグラフは下図のようになります。

問題6の考察v-tグラフ

t’を求めていきます。


正の部分の三角形に注目して、加速度の定義式から




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&-4.0m/s^2=\frac{0m/s-(+2.0m/s)}{t^{\prime}-0s}\\\\{\Leftrightarrow}&&t^{\prime}=\frac{1}{2}s\\\\{\Leftrightarrow}&&t^{\prime}=0.5s\end{eqnarray}}\)




正の部分の面積は




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}t^{\prime}×2.0m/s×\frac{1}{2}&=&0.5s×2.0m/s×\frac{1}{2}\\\\&=&+0.5m\end{eqnarray}}\)




以上より、正の方向(右向き)に進んだ距離は


\(\displaystyle{\textcolor{red}{+0.5m}}\)


となります。

次に負の部分の三角形の辺の長さは、下図のようになります。

問題6の考察負の面積

よって、負の部分の面積は




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&(t_{あと}-t^{\prime})×6.0m/s×\frac{1}{2}\\\\=&&(2.0s-0.5s)×6.0m/s×\frac{1}{2}\\\\=&&+4.5m\end{eqnarray}}\)




以上より、負の方向(左向き)に進んだ距離は


\(\displaystyle{\textcolor{blue}{4.5m}}\)


となります。




あとの速度\(-6.0m/s\)を用いると、面積は


\(\displaystyle{-4.5m}\)


と負になる。

これは、右向きが正なので、負の向きである左向きに4.5mということを意味しています。

以上から、状況を整理すると




はじめ:
右向きに2.0m/s


途中
0s~0.5sの間に、右向きに0.5m進んで、その後左向きに方向転換する。


0.5s~2.0sの間に左向きに4.5m進んで、左向きの速さ6.0m/sになる。




イメージは、下図のようになります。

問題6の考察イメージ図

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2.s-tグラフからv-tグラフへの変換

\(\underline{\bf{問題}}\)


次の位置s[m]と時間t[s]の関係を表したs-tグラフのように運動している物体がある。

この物体の速度v[m/s]と時間t[s]の関係を表すv-tグラフはどのようになるか。

s-tグラフ変換

\(\underline{\bf{解答}}\)


位置s[m]と速度v[m/s]の関係を表す式は、速度の定義式


\(\displaystyle{\textcolor{green}{\overline{V}=\frac{s_{あと}-s_{はじめ}}{t_{あと}-t{はじめ}}}}\)


となります。


上記の関係式を用いると、


○0~2.0sの間


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\overline{V}&=&\frac{+60m-0m}{2.0s-0s}\\\\&=&+30m/s\end{eqnarray}}\)




○2.0s~5.0sの間


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\overline{V}&=&\frac{+60m-(+60m)}{5.0s-2.0s}\\\\&=&\frac{0m}{3.0s}\\\\&=&0m/s\end{eqnarray}}\)




以上から、s-tグラフとv-tグラフを縦に並べて描くと、下図のようになります。

変換後v-tグラフ

\(\underline{\textcolor{red}{\bf{○ポイント}}}\)

・グラフの活用
 →v-tグラフ(速度-時間グラフ)が基本のグラフ
 →(変換)\(s-t\)グラフ(位置-時間グラフ)
 →(変換)\(a-t\)グラフ(加速度-時間グラフ)

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3.グラフの変換

\(\underline{\bf{問題}}\)


x軸上を次の\(v-t\)グラフのように運動している物体がある。

この物体の\(a-t\)グラフと\(x-t\)グラフはどのようになるか。

ただしt=0のときの物体の位置をx=0とする。

問題v-tグラフ変換

\(\underline{\bf{解答}}\)


○加速度について


加速度と速度の関係式は、加速度の定義式


\(\displaystyle{\textcolor{green}{a=\frac{v_{あと}-v_{はじめ}}{t_{あと}-t{はじめ}}}}\)


になります。



これを用いると、


\(・0s{\le}t{\le}10s\)のとき


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}a&=&\frac{12m/s-0m/s}{10s-0s}\\\\&=&1.2m/s^2\end{eqnarray}}\)




\(・10s{\le}t{\le}20s\)のとき


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}a&=&\frac{12m/s-12m/s}{20s-10s}\\\\&=&\frac{0m/s}{10s}\\\\&=&0m/s^2\end{eqnarray}}\)




\(・20s{\le}t{\le}40s\)のとき


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}a&=&\frac{0m/s-12m/s}{40s-20s}\\\\&=&\frac{-12m/s}{20s}\\\\&=&-0.6m/s^2\end{eqnarray}}\)




以上から、\(a-t\)グラフは下図の上側のグラフのようになります。

問題a-tグラフへの変換

○位置について


位置と速度の関係式は、速度の定義式


\(\displaystyle{\textcolor{green}{v=\frac{x_{あと}-x_{はじめ}}{t_{あと}-t{はじめ}}}}\)


になります。

また、位置はv-tグラフの面積となります。




\(・0s{\le}t{\le}10s\)のとき

この間での時刻を\(t^{\prime}\)、時刻\(t^{\prime}\)のときの速度を\(v^{\prime}\)とし、これをあとの状態とします。



はじめ:t=0sでv=0m/s

あと:\(t=t^{\prime} (0s{\le}t{\le}10s)\)で\(v=v^{\prime}\)



また、この間での加速度は\(+1.2m/s^2\)なので




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&+1.2m/s^2=\frac{v^{\prime}[m/s]-0m/s}{t^{\prime}[s]-0s}\\\\{\Leftrightarrow}&&v^{\prime}[m/s]=1.2t^{\prime}\end{eqnarray}}\)




また、v-tグラフの面積から、




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}x[m]&=&\frac{1}{2}v^{\prime}t^{\prime}\\\\&=&\frac{1}{2}×(1.2t^{\prime})×t^{\prime}\\\\&=&0.6{t^{\prime}}^2\end{eqnarray}}\)




これは、原点を頂点とする下に凸の2次関数のグラフとなります。
(x-y座標における\(y=0.6x^2\)のグラフと同じ)

19.0~10sv-tグラフ

\(t^{\prime}=10s\)のとき


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}x[m]&=&0.6(t^{\prime})^2\\\\&=&0.6×10^2\\\\&=&60m\end{eqnarray}}\)

\(・10s{\le}t{\le}20s\)のとき

この間での時刻を\(t^{\prime}\)、時刻\(t^{\prime}\)のときの速度を\(v^{\prime}\)とし、これをあとの状態とします。



はじめ:t=10sでv=+12m/s

あと:\(t=t^{\prime} (10s{\le}t{\le}20s)\)で\(v=v^{\prime}\)



また、この間での加速度は\(0m/s^2\)なので




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&0m/s^2=\frac{v^{\prime}[m/s]-12m/s}{t^{\prime}[s]-0s}\\\\{\Leftrightarrow}&&v^{\prime}[m/s]=12m/s\end{eqnarray}}\)




位置は\(0s{\le}t{\le}10s\)までの面積に\(10s{\le}t{\le}t^{\prime}\)までの面積を足したものなので




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}x[m]&=&60m+12(t^{\prime}-10)\\\\&=&12t^{\prime}-60\end{eqnarray}}\)




これは、切片が-60で傾きが12の直線の\(10s{\le}t{\le}20s\)の範囲となります。
(x-y座標における\(y=12x-60\)のグラフと同じ)

10~20sv-tグラフ

また、\(t^{\prime}=10s\)のとき


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}x[m]&=&12t^{\prime}-60\\\\&=&12×10-60\\\\&=&60m\end{eqnarray}}\)




\(t^{\prime}=20s\)のとき


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}x[m]&=&12t^{\prime}-60\\\\&=&12×20-60\\\\&=&180m\end{eqnarray}}\)

\(・20s{\le}t{\le}40s\)のとき

この間での時刻をt、時刻tのときの速度をvとし、これをあとの状態とします。



はじめ:t=20sでv=+12m/s

あと:\(t=t^{\prime} (0s{\le}t{\le}10s)\)で\(v=v^{\prime}\)



また、この間での加速度は\(-0.6m/s^2\)なので




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&-0.6m/s^2=\frac{v^{\prime}[m/s]-12m/s}{t^{\prime}[s]-20s}\\\\{\Leftrightarrow}&&-0.6(t^{\prime}-20)=v^{\prime}-12\\\\{\Leftrightarrow}&&-0.6t^{\prime}+12=v^{\prime}-12\\\\{\Leftrightarrow}&&v^{\prime}=-0.6t^{\prime}+24\end{eqnarray}}\)




また、位置は\(0s{\le}t{\le}20s\)までの面積に\(20s{\le}t{\le}t^{\prime}\)までの面積を足したものなので




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}x[m]&=&180m+\frac{1}{2}(12+v^{\prime})(t^{\prime}-20)\\\\&=&180m+\frac{1}{2}\left\{12+(-0.6t^{\prime}+24)\right\}(t^{\prime}-20)\\\\&=&180m+\frac{1}{2}(-0.6t^{\prime}+36)(t^{\prime}-20)\\\\&=&180m+\frac{1}{2}\left\{-0.6(t^{\prime})^2+12t^{\prime}+36t^{\prime}-720\right\}\\\\&=&180-0.3{t^{\prime}}^2+24t^{\prime}-360\\\\&=&-0.3{t^{\prime}}^2+24t^{\prime}-180\end{eqnarray}}\)




これを平方完成すると




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}x&=&-0.3{t^{\prime}}^2+24t^{\prime}-180\\\\&=&-0.3({t^{\prime}}^2-80t^{\prime})-180\\\\&=&-0.3(t-40)^2+480-180\\\\&=&-0.3(t-40)^2+300\end{eqnarray}}\)




これは、頂点がt=40、x=300である下に凸の2次関数のグラフの\(20s{\le}t{\le}40s\)の範囲となります。
(x-y座標における\(y=-0.3(x-40)^2+300\)のグラフと同じ)

20~40sv-tグラフ

\(t^{\prime}=20s\)のとき


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}x[m]&=&-0.3(t-40)^2+300\\\\&=&-0.3(20-40)^2+300\\\\&=&-0.3×400+300\\\\&=&-120+300\\\\&=&180m\end{eqnarray}}\)




\(t^{\prime}=40s\)のとき


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}x[m]&=&-0.3(t-40)^2+300\\\\&=&-0.3(40-40)^2+300\\\\&=&0+300\\\\&=&300m\end{eqnarray}}\)

以上から、


\(0s{\le}t{\le}10s\)のとき

\(\displaystyle{x=0.6{t^{\prime}}^2}\)




\(10s{\le}t{\le}20s\)のとき

\(\displaystyle{x=12t^{\prime}-60}\)




\(20s{\le}t{\le}40s\)のとき

\(\displaystyle{x=-0.3(t^{\prime}-40)^2+300}\)




よって、x-tグラフの概形は下図の下側のグラフのようになります。

変換後x-tグラフ

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x-tグラフを求める際に、この位置xを表す関数を点Oを原点として求めましたが、次のように原点をずらしていき求めた方が計算が楽になります。




\(○0s{\le}t{\le}10s\)のとき


原点Oを基準として


\(v^{\prime}=1.2t^{\prime}\)

\(x=0.6{t^{\prime}}^2\)


これは、原点を頂点とする下に凸の2次関数のグラフの\(0s{\le}t{\le}10s\)部分。


また、\(t^{\prime}=10\)のとき


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}x&=&0.6{t^{\prime}}^2\\\\&=&0.6×10^2\\\\&=&60\end{eqnarray}}\)

基準変更x-tグラフ0~10s

\(○10s{\le}t{\le}20s\)のとき


\(t=10s\)のときを基準とします。

x-tグラフにおいては、点(10,60)が基準となります。

このとき、

\(v^{\prime}=12\)


位置は、すでに60m進んだところを基準と考えるので、この部分から何m進むかを考えるとv-tグラフの面積から


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}x&=&12t^{\prime}\end{eqnarray}}\)

基準変更v-tグラフ10~20s

上記の式


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}x&=&12t^{\prime}\end{eqnarray}}\)


は傾き12の直線を表します。


また、t=20sのとき、上式においては10sから10s後のことなので\(t^{\prime}=10s\)として


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}x&=&12t^{\prime}\\\\&=&12×10\\\\&=&120\end{eqnarray}}\)


よって、x-tグラフにおいては点(10,60)を基準としてt軸方向に+10、x軸方向に+120進んだ点と点(10,60)を結ぶ直線となります。

基準変更x-tグラフ10~20s

\(○20s{\le}t{\le}40s\)のとき


\(t=20s\)のときを基準とします。

x-tグラフにおいては、点(20,180)が基準となります。


このとき、加速度の定義式から




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&-0.6m/s^2=\frac{v^{\prime}-12m/s}{t^{\prime}-0s}\\\\{\Leftrightarrow}&&v^{\prime}=-0.6t^{\prime}+12\end{eqnarray}}\)




位置は、すでに180m進んだところを基準と考えるので、この部分から何m進むかを考えるとv-tグラフの面積から




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}x&=&\frac{1}{2}(12t^{\prime}+v^{\prime})t^{\prime}\\\\&=&\frac{1}{2}\left\{12+(-0.6t^{\prime}+12)\right\}t^{\prime}\\\\&=&\frac{1}{2}(-0.6t^{\prime}+24)t^{\prime}\\\\&=&-0.3{t^{\prime}}^2+12\end{eqnarray}}\)




平方完成して


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}x&=&-0.3{t^{\prime}}^2+12\\\\&=&-0.3({t^{\prime}}^2-40t^{\prime})\\\\&=&-0.3(t^{\prime}-20)^2+120\end{eqnarray}}\)

基準変更v-tグラフ20~40s

現在点(20,180)を基準としているので、この点からt軸方向に+20、x軸方向に+120進んだ点を頂点とする上に凸の2次関数のグラフとなります。


また、t=20sのとき、上式においては\(t^{\prime}=0s\)のときなので


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}x&=&-0.3(t^{\prime}-20)^2+120\\\\&=&-0.3(0-20)^2+120\\\\&=&-0.3×400+120\\\\&=&0\end{eqnarray}}\)


これは、基準点(20,180)を通ることを意味しています。




t=40sのとき、上式においては\(t^{\prime}=20s\)のときなので


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}x&=&-0.3(t^{\prime}-20)^2+120\\\\&=&-0.3(20-20)^2+120\\\\&=&0+120\\\\&=&120\end{eqnarray}}\)




以上から、このグラフは点(20,180)を通り、この点からt軸方向に+20、x軸方向に+120進んだ点を頂点とする上に凸の2次関数となります。

基準変更x-tグラフ20~40s

基準点を変更させて考えるときは、\(v-t\)グラフの基準点と\(x-t\)グラフや\(a-t\)グラフにおける基準点との関係性に十分注意するようにしましょう。

式が簡単になる分、基準点の捉え方の部分でミスをする可能性があります。

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4.平均の加速度

\(\underline{\bf{[問題]}}\)


同一直線上を左右方向に走っている人について、4.0s間で


i)右向きに2.0m/sから右向きに6.0m/s

ii)右向きに2.0m/sから左向きに4.0m/s


にそれぞれ変化した場合の平均の加速度を求め、v-tグラフを描け。



この問題は、変位・速度・加速度の練習問題でも扱っています。
変位・速度・加速度(補足解説と練習問題)

\(\underline{\bf{[解答]}}\)


この問題は「変位・速度・加速度」の練習問題でも扱いましたが、こちらではv-tグラフに注目してみます。



加速度の定義式は


\(\displaystyle{\textcolor{green}{\begin{eqnarray}\vec{a}=\frac{{\bf{(あとの速度)}}-{\bf{(はじめの速度)}}}{{\bf{(あとの時間)}}-{\bf{(はじめの時間)}}}\end{eqnarray}}}\)


また、右向きを正とします。

i)

はじめ:t=0でv=+2.0m/s

あと:t=4.0sでv=+6.0m/s


から、加速度の定義式より


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\vec{a}&=&\frac{(+6.0m/s)-(+2.0m/s)}{4.0s-0s}\\\\&=&\frac{+4.0m/s}{4.0s}\\\\&=&+1.0m/s^2\end{eqnarray}}\)


求めた加速度はv-tグラフの傾きとなるので、v-tグラフは下図のようになります。

平均の加速度v-tグラフ1

ii)

はじめ:t=0でv=+2.0m/s

あと:t=4.0sでv=-4.0m/s


から、加速度の定義式より


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\vec{a}&=&\frac{(-4.0m/s)-(+2.0m/s)}{4.0s-0s}\\\\&=&\frac{-6.0m/s}{4.0s}\\\\&=&-1.5m/s^2\end{eqnarray}}\)


求めた加速度はv-tグラフの傾きとなるので、v-tグラフは下図のようになります。

平均の加速度v-tグラフ2

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5.等加速度直線運動とv-tグラフの利用

5-1.問題1

\(\underline{\bf{[問題1]}}\)


速さ30m/sで右向きに運動していた物体が、等加速度直線運動をして6.0秒後に左向きの速さ15m/sになったとき、


1)加速度の大きさと向き

2)物体の速度が0となるのは、はじめの時刻から何秒後か

3)物体の速度が0となるのは、はじめの位置からどちら向きに何mのところか


を求めよ。

\(\underline{\bf{[解答1]}}\)


はじめ、物体は右向きに運動しているので、右向きを正とします。

状況を整理すると、




はじめ:t=0sで右向きの速さ30m/s
   →t=0のとき、+30m/s(右向き正なので)


あと:t=6sで左向きの速さ15m/s
  →t=6sのとき、-15m/s(右向き正なので)


また、

\(\textcolor{green}{\bf{等加速度直線運動}}\)
→\(\textcolor{green}{\bf{v-tグラフが直線}}\)




これより、v-tグラフの概形は下図のようになります。

等加速度直線運動v-tグラフ1

1)

加速度の定義式から




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}a&=&\frac{-15m/s-(+30m/s)}{6.0s-0s}\\\\&=&\frac{-45m/s}{6.0s}\\\\&=&-7.5m/s^2\end{eqnarray}}\)




右向き正なので、求める加速度は


\(\underline{{\bf{左向きに}}7.5m/s^2}\)

2)

求める時間は、v-tグラフ中の\(\textcolor{blue}{t^{\prime}}\)です。

この点をあとの状態と考えると




はじめ:t=0で+30m/s


あと:\(t=t^{\prime}\)で0m/s




これより、加速度の定義式から




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&-7.5m/s^2=\frac{0m/s-(+30m/s)}{t^{\prime}-0s}\\\\{\Leftrightarrow}&&t^{\prime}=\frac{-30m/s}{-7.5m/s^2}\\\\{\Leftrightarrow}&&t^{\prime}=4.0s\end{eqnarray}}\)




よって


\(\underline{\bf{4.0秒後}}\)

3)

求める変位は、v-tグラフ中の斜線部面積\(\textcolor{blue}{x}\)なので、三角形の面積を求めて




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}x&=&\frac{1}{2}×30m/s×t^{\prime}\\\\&=&\frac{1}{2}×30m/s×4.0s\\\\&=&+60m\end{eqnarray}}\)




右向き正なので、求める変位は


\(\underline{{\bf{右向きに}}60m}\)

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5-2.問題2

\(\underline{\bf{[問題2]}}\)


東向きに32km/hで走っていたバイクが、ブレーキをかけたところ、等加速度直線運動をして20m進んでから止まった。

このときの、加速度と止まるまでの時間を求めよ。

\(\underline{\bf{[解答2]}}\)


はじめ、東向きに運動しているので東向きを正とします。

ここで、32km/hの単位をm/sになおしておきます。


※単位についてはこちら
単位の計算や換算(変換)方法



\(\displaystyle{\begin{eqnarray}32km/h&=&\frac{32\textcolor{green}{k}m}{\textcolor{green}{h}}\\\\&=&\frac{32×\textcolor{green}{10^3}m}{\textcolor{green}{3600s}}\\\\&=&10m/s\end{eqnarray}}\)


次に、状況を整理していきます。




はじめ:t=0sのとき、東向きに32km/h
   →t=0sのとき+10m/s(東向き正なので)


あと:\(t=t_{あと}\)のとき、止まった
  →\(t=t_{あと}\)のとき、0m/s


20m進んで
→v-tグラフの面積が20m


等加速度直線運動をして
→v-tグラフが直線




以上のことからv-tグラフを描くと下図のようになります。

等加速度直線運動v-tグラフ2

加速度の定義式から




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}a&=&\frac{0m/s-(+10m/s)}{t_{あと}-0s}\\\\&=&\frac{-10m/s}{t_{あと}} \cdots①\end{eqnarray}}\)




v-tグラフの面積から




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&20m=\frac{1}{2}×10m/s×t_{あと}\\\\{\Leftrightarrow}&&t_{あと}=4.0s \cdots②\end{eqnarray}}\)




\(t_{あと}=4.0s\)が分かったので、②を①に代入して、




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}a&=&\frac{-10m/s}{t_{あと}}\\\\&=&\frac{-10m/s}{4.0s}\\\\&=&-2.5m/s^2\end{eqnarray}}\)




以上から、東向きを正としているので


加速度

\(\underline{{\bf{西向きに}}2.5m/s^2}\)


時間

\(\underline{\bf{4.0秒}}\)

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6.記録タイマー

\(\underline{\bf{[問題]}}\)


等加速度直線運動をする物体の運動を、打点間隔\(\displaystyle{\frac{1}{10}}\)秒の打点タイマーで測定したところ下図のようになった。

図中の最初の打点Oにおける時刻を0としたとき、v-tグラフを描き、この物体の加速度の大きさを求めよ。

打点タイマー測定

\(\underline{\bf{[解答]}}\)


「時刻t[s]」と「位置x[cm]」と「0.1sごとの移動距離[cm]」と「平均の速さ[m/s]」の表を作成します。

時刻は打点間隔が\(\displaystyle{\frac{1}{10}}\)秒、すなわち0.1sなので、O→Aまでで0.1sかかり、A→Bまでで0.1sかかり…となります。

いま、打点Oを時刻0とするので、例えば物体が打点Bだけ進んだ位置では時刻0.2sとなります。




0.1sごとの移動距離は、例えばO→Aまで進むのに0.1sかかっているので、この間での移動距離は


\(4.0cm-0cm=4.0cm\)


となります。


A→Bまででも、0.1sかかっているのでこの間での移動距離は


\(9.9cm-4.0cm=5.9cm\)


となります。




平均の速さは、例えばO→Aを考えると、0.1sで4.0cm進んでいるので平均の速さは


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\frac{4.0cm}{0.1s}&=&\frac{4.0×10^{-2}m}{0.1s}\\\\&=&0.40m/s\end{eqnarray}}\)




A→Bでは、先ほど求めたように0.1sで5.9m進んでいるので、平均の速さは


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\frac{5.9cm}{0.1s}&=&\frac{5.9×10^{-2}m}{0.1s}\\\\&=&0.59m/s\end{eqnarray}}\)


となります。


このように、各区間について各項目を求めていき、表を作成すると以下のようになります。

打点タイマー表

この表において、もとめた速さは平均の速さなので、v-tグラフにおいては、各区間の平均の速さは、中央時刻における瞬間の速さとみなします。


各区間は0.1s間なので、各区間における平均の速さは、この区間における0.05s時の速さとみなす。


これをふまえてv-tグラフを描くと、下図のようになります。

打点タイマーv-tグラフ

また、加速度の大きさはこのv-tグラフの傾きの大きさとなるので、t=0.05sの点とt=0.55sの点を考えて、加速度の定義式から


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}a&=&\frac{1.35m/s-0.40m/s}{0.55s-0.05s}\\\\&=&\frac{0.95m/s}{0.50s}\\\\&=&1.9m/s^2\end{eqnarray}}\)


よって、加速度の大きさは


\(\underline{1.9m/s^2}\)





各区間の加速度を計算してみると、どの区間においても\(1.9m/s^2\)となり、v-tグラフは直線になることがわかります。

問題文に、物体は等加速度直線運動をすると記載されているので、v-tグラフが直線になることはわかりますが、各区間の加速度を計算することによってもグラフが直線となることを確認することができます。

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7.v-tグラフにおける変位と移動距離

\(\underline{\bf{[問題]}}\)


直線上を運動する物体が、右向きの速さ20m/sで点Oを通過した8.0秒後に左向きの速さ12m/sになった。

物体は等加速度直線運動をするものとして、点Oを原点とした際の8.0秒後の物体の位置と移動距離を求めよ。

\(\underline{\bf{[解答]}}\)


はじめ物体は右向きに移動しているので、右向きを正とします。

状況を整理すると




はじめ:t=0sで右向きの速さ20m/s
   →t=0sで+20m/s(右向き正なので符合は正)


あと:t=8.0sで左向きの速さ12m/s
  →t=8.0sで-12m/s(右向き正なので符合は負)


物体は等加速度直線運動をする
→v-tグラフは直線




以上のことからv-tグラフを描くと下図のようになります。

v-tグラフにおける変位と移動距離

\(t^{\prime}\)は物体の速度が0となる時刻。



\(\textcolor{red}{S_1}\)は、t軸よりも上の面積なので、正の面積となります。

すなわち、正の方向に動いた距離となります。



\(\textcolor{blue}{S_2}\)は、t軸よりも下の面積なので、負の面積となります。

すなわち、負の方向に動いた距離となります。


問題を解いていきます。



加速度の定義式から




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}a&=&\frac{-12m/s-(+20m/s)}{8.0s-0}\\\\&=&\frac{-32m/s}{8.0s}\\\\&=&-4.0m/s^2\end{eqnarray}}\)




また、物体の速度が0となる点をあとの状態だと考えると、加速度の定義式から




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}&&-4.0m/s^2=\frac{0m/s-(+20m/s)}{t^{\prime}-0s}\\\\{\Leftrightarrow}&&t^{\prime}=\frac{-20m/s}{-4.0m/s^2}\\\\{\Leftrightarrow}&&t^{\prime}=5.0s\end{eqnarray}}\)




これより、正の面積\(\textcolor{red}{S_1}\)は三角形の面積を求める式から


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\textcolor{red}{S_1}&=&\frac{1}{2}×20m/s×t^{\prime}\\\\&=&\frac{1}{2}×20m/s×5.0s\\\\&=&50m\end{eqnarray}}\)




また、負の面積\(\textcolor{blue}{S_2}\)も三角形の面積を求める式から


\(\displaystyle{\begin{eqnarray}\textcolor{blue}{S_2}&=&\frac{1}{2}×12m/s×(8.0s-t^{\prime})\\\\&=&\frac{1}{2}×12m/s×(8.0s-5.0s)\\\\&=&\frac{1}{2}×12m/s×3.0s\\\\&=&18m\end{eqnarray}}\)


面積の大きさは18mですが、負の面積であり、負の方向(左向き)に進んだ距離となることに注意してください。



速度-12m/sを用いると、面積は-18mとなる



ここで

位置=変位

なので、変位を求めて




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}{\bf{変位}}&=&\textcolor{red}{S_1}+\textcolor{blue}{S_2}\\\\&=&\textcolor{red}{+50m}+\textcolor{blue}{(-18m)}\\\\&=&+32m\end{eqnarray}}\)




右向き正なので、位置は右向きに32mとなります。



また、移動距離は




\(\displaystyle{\begin{eqnarray}{\bf{移動距離}}&=&\textcolor{red}{S_1}+\textcolor{blue}{|S_2|}\\\\&=&\textcolor{red}{+50m}+\textcolor{blue}{|-18m|}\\\\&=&\textcolor{red}{+50m}+\textcolor{blue}{(+18m)}\\\\&=&+68m\end{eqnarray}}\)




以上から


位置

\(\underline{{\bf{右向きに}}32m}\)



移動距離

\(\underline{68m}\)



となります。

移動距離と変位

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